
MVNO(格安SIM)には、3日ルールがある格安SIMも少なくありません。
3日ルールとは、
3日(72時間)の利用容量が、指定された容量を超えた場合、通信速度を制限する
というものです。
もちろん、高速通信・低速通信にかかわらず許容範囲を超えた通信を3日間で行った制限の場合もありますが、
実は、低速通信(一般的に200kbpsが多い)での制限もあります。
今回は、その制限について簡単に解説してみます。
- 目次
- 履歴
2016年3月9日 初版
一般的な制限
高速通信・低速通信にかかわらず許容範囲を超えた通信を3日間で行った制限を行っている格安SIMは、以下のとおりです。
格安SIM | プラン | 制限 |
---|---|---|
BIGLOBE SIM | 音声通話スタートプラン | 直近72時間に伝送量が 200MB を超えた場合、通信速度を最大200kbpsに制限となります。 |
エントリープラン | 直近72時間に伝送量が 600MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
nuro mobile (旧So-net) | 2G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 |
3G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
4G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
5G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
6G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
7G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
8G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
9G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
10G | 直近72時間に伝送量が 240MB を超えた場合、送受信最大200kbpsに制限となります。 | |
楽天モバイル | 3.1GB | 直近72時間に伝送量が 540MB を超えた場合、通信速度を制限(制限中でも容量から消費されることに注意)となります。 |
5GB | 直近72時間に伝送量が 1GB を超えた場合、通信速度を制限(制限中でも容量から消費されることに注意)となります。 | |
10GB | 直近72時間に伝送量が 1.7GB を超えた場合、通信速度を制限(制限中でも容量から消費されることに注意)となります。 | |
20GB | 直近72時間に伝送量が 1.7GB を超えた場合、通信速度を制限(制限中でも容量から消費されることに注意)となります。 | |
30GB | 直近72時間に伝送量が 1.7GB を超えた場合、通信速度を制限(制限中でも容量から消費されることに注意)となります。 | |
UQ mobile | データ高速プラン | 直近72時間に伝送量が 3GB を超えた場合、通信速度を制限となります。 |
NifMo | 3GBプラン | 直近72時間に伝送量が 650MB を超えた場合、通信速度を最大200kbpsに制限となります。 |
7GBプラン | 直近72時間に伝送量が 1.1GB を超えた場合、通信速度を最大200kbpsに制限となります。 | |
13GBプラン | 直近72時間に伝送量が 2.2GB を超えた場合、通信速度を最大200kbpsに制限となります。 |
おおよそ 各プランの伝送容量の2割を規制値として制限をかけているようです。
例えば、NifMoの3GBプランでは、
伝送容量 3 GB x 20% = 600 MB
となり、実際の規制値 ( = 650MB ) に近いことがわかるかと思います。
この例の数値から、制限にかかるペース(600MB / 3日 = 200MB/日)で容量を消費していくと
1カ月を30 日とすれば、
1カ月の予想消費容量 = 200MB/日 x 30日 = 6 GB/月
となり、許容量 3GB の 2倍となってしまいます。
単純に「倍以上はだめですよ」ということのようです。
低速通信による制限
先の単純な許容量を超えた制限と異なり、 低速通信による制限は、文字通り 低速通信(一般的に200kbpsが多い)で許容範囲を超えた通信を3日間で行った制限になります。 この制限をかけているのが、IIJmio および MVNE を IIJmio としている DMMモバイル ならびに イオンモバイル になります。 その制限基準は、以下のとおりで すべて同じです。
格安SIM | プラン | 制限 |
---|---|---|
DMM モバイル | ライト | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 |
1GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
2GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
3GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
5GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
7GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
8GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
10GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
15GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
20GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
イオンモバイル | 0.5GB (音声のみ) | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 |
1GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
2GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
4GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
6GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
8GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
12GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
20GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
30GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
40GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
50GB | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
IIJmio | ミニマムスタートプラン | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 |
ライトスタートプラン | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 | |
ファミリーシェアプラン | 直近72時間に伝送量が 366MB を超えた場合、通信速度を制限となります。 |
この制限は、200kbpsの低速通信での容量制限となっていて
先の 一般的な制限 であれば、プラン容量が 約2GB の規制値に値します。
また、このペースで消費した場合、先の計算と同じように1カ月を30 日とし算出すれば、
1カ月の予想消費容量 = 122MB/日 x 30日 = 3.66 GB/月
となります。
このことから、
低速であっても「伝送量 3 GB /月 を超えてはだめですよ」ということのようです。
逆に 「3GB 使うなら、ちゃんと 容量 3GB プラン以上の契約してね」ということでもあるようです。
実は、個人的には、この低速での制限は、以下のような意味合いで指定されているのだと思います。
- 低速・高速切り替えは、あくまでおまけ的なものであって、それを本格的に使わないでね。
- プランの容量を使い切ってしまうなら、チャージするなりプランの変更するなりしてね。
つまり、ズルしていっぱい使わないでね・・・ぐらいの意味合いが強いのではないかと思う次第です。(あくまで個人的な感想です。)
FREETELのお知らせでプチ炎上(おまけ)
FREETELからの2016年3月9日のお知らせの中で、以下のようなものがありました。
平素は格別のお引き立てを賜り、心よりお礼を申し上げます。
ごく一部のユーザーが当社ネットワークに支障が出る恐れのある利用を行っており、 それによって一部のサイトからのダウンロードがこの10日間、また特に昨日の夕方から非常に遅くなっております。
当社としましては、お客様皆様のご利用にとって、大きな支障となっている当該ユーザーについては、警告及び利用の停止、並びに法的措置をとってまいります。
なお、今月から月二回の増速(W増速)を実施しております。
通常のご利用をして頂いているお客様には、今後とも快適な通信サービスをご提供してまいることをお約束いたします。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
先の中の各制約を行っている格安SIMの中にFREETELはありません。
FREETELの公式アナウンスでは、制約らしい制約はなく、以下のQ&Aがあるだけです。
通信規制はありますか?
10GBまでは通信規制は行いませんが、お客さま自身で通信速度の制限をかけることが可能です。制限中は通信使用量のカウントはされません。
つまり、10GBまでは自由に使って良いとされているのに、
先のお知らせでは、「・・一部のユーザーが当社ネットワークに支障が出る恐れのある利用を行っており・・・」としていて、何か矛盾しているのでは?
ということで、プチ炎上?中みたいです。
確かにそうですよね。ただ、先のお知らせの中には「法的措置」とまで言っているので、何かしら不正を働いたことになるのでしょうね。
ただ、規約上では、単純にSIMを介して使用しているだけなら、本来、正しく制約条件を加えていない FREETELにも問題があるのかもしれませんね。
追記(2016.03.23) : この問題に関する詳しい情報がわかりました。(参照:http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1603/23/news163.html)
先の記事によれば、どうもパケット偽装による伝送容量カウント逃れのようですね。
つまり、簡単にいうとFREETELが良心的にある特定のパケット(送受信データ)については、伝送容量にカウントしないというサービスを行っていることを逆手にとって
あたかもそのカウント対象でないパケットに偽装してデータの送受信を行った・・・ということのようです。
そうするといつまでのカウントされないデータが高速で送受信できるので、使用していた回線がパンクした・・・ということのようですね。
んーーーーっ、確かに悪質なユーザで法的手段も・・というのもわかりますが、一方には、FREETELの甘さもあったのでは?と思わなくもないです。
さてさてLINEパケットの無料化も行うようなので、たぶん同じ原理でしょうから大丈夫?ですかね。要チェック・・・ですね。
ただ、他のユーザへの配慮を行おうとしていることはよく理解できますし、的確に情報開示している点では、
個人的には非常に好感の持てる格安SIMではないかとは思いますけどね。
いかがだったでしょうか?
3日制約は、ある意味、他ユーザを守る制約でもあります。
ただ、3大キャリアでは、そのような制約がないことからも、本来は なくても良いはず!?ですから、
これから MVNOでも もっとうまく回線のコントロールができるようになれば、これらの制約もなくなってくるのだと思います。
また、ここで出てきていない mineo などは、一切の制約がありません。
それでも安定感は、かなりの評判となっています。
さらに、mineo
の良い点は、情報公開が徹底していて
ユーザからすると安心感があるのも事実です。
イオンモバイル の このグダグダな対応 とは天と地の差があるのも事実で、
是非、mineo の情報公開ぐらいは、真似てほしいと思いますね。
このサイトでは、コンテンツの一部が非表示、あるいは、コメント、お問い合わせの投稿ができない、検索ができないことがあります。